ABOUT

小鷹研究室のプロフィール

からだの錯覚を通して不安の向こう側へ

小鷹研究室は, 来たるべき新しい時代のメディア空間を縦横無尽に闊歩するであろう, 新しい<からだ>(body image)のかたちを模索しています. この刺激的な挑戦のなかで求められるのは, 何億年という時空を経て適応的に形成されてきたであろう<からだ>の成り立ちに対する回顧的な視線です. 僕たちが手に入れることができる新しい<からだ>は, (少し逆説的な言い方になるけれど)「既にそこにあるもの」の中からしか育たないからです. 

これらの問題系を考えるにあたって, 「からだの錯覚」を実際に体験してみること, さらには, 新しい「からだの錯覚」を考案することは, 極めて良質なトレーニングの場を提供します. 小鷹研究室は, 認知心理学における重要な概念である「身体所有感 = body ownership」に対する理解を軸にして, 種々の心理実験から所有感を変調させるための必要条件を吟味するとともに, 昨今, 目まぐるしく刷新を繰り返しているバーチャル・リアリティー技術を積極的に導入し, 「具体的に体験可能なインタラクション装置」のなかで設計された(一見すると異質な)<からだ>のリアリティーを, 様々な尺度で検証しています.

小鷹研究室asの略歴(2024年版)

『からだの錯覚』を中心テーマとして標榜している、日本で(おそらくは)唯一の研究室。研究テーマは、身体変形、空洞身体、幾何学的身体、幽体離脱、セルフタッチ、身体のモノ化など多岐にわたる。昨今、目まぐるしく刷新を繰り返すバーチャル・リアリティー(VR)技術を積極的に導入し、「具体的に体験可能なインタラクション装置」のなかで設計された一見すると異質な「からだ」のリアリティーを、様々な尺度で検証する。院生数人の少数規模のラボ形態を維持しながら、質の高い錯覚装置を多数設計し、毎年国内外の様々な展示に出展するだけでなく、自らも錯覚展示を定期的に企画する。

2017年以降、アジア最大のコンピュータ技術の祭典「Siggraph Asia」のXR系部門に7つの錯覚装置を出展(2022年に『XRAYHEAD』が受賞)、国内ではVR/XR Creative Awardにおいて4つの作品がフィナリストに選出されるなど(うち2回で学生賞)、XRシステムによる錯覚設計において確固たる実績を持つ。また、世界的な錯覚のコンペティションであるBest Illusion Contest of the Yearにおいても、2019年より4大会連続のべ5作品(『SLIME HAND』『ブッダの耳錯覚』など)がTop10入りを果たす。これら錯覚の心理学的効果は海外の学術論文の中で検証されるなど、オリジナルの即席錯覚を国内外で積極的に発信され、これまでに旭川市科学館サイパル(常設)、名古屋市科学館(企画展)などで展示される。

2019年、鏡とディスプレイを組み合わせたインスタレーション『ボディジェクト指向』が、第22回メディア芸術祭・アート部門の審査委員会推薦作品に選出され、同年アルスエレクトロニカのキャンバス展に出品。2021年には、ICC(新宿)において、ICCオープンスペース2021「ニューフラットランド」に参加し、半年にわたって 「小鷹研究室の錯覚論争 2016-20 / 頭部解放宣言」の展示を行う。さらに、関連イベントとして、同会場で、オープンラボ「頭部解放前夜」を実施。2023年には「わたしの身体は心になる?」展(東京有楽町)に小鷹研究室asとして参加するなど、首都圏での展示にも積極的に参加。

2015年より、毎冬に研究室展示『からだは戦場だよ』をやながせ倉庫・ビッカフェで開催。5回目を迎えた「からだは戦場だよ2018Δ ボディジェクト思考法」では、過去5年の総決算として、3日間にわたり、展示に加えトークセッション・レクチャーを開催し盛況を得た。2020年より、戦場の展示スタイルを「名古屋電映博」のフォーマットに引き継ぎ、名古屋・栄を舞台に「注文の多いからだの錯覚の研究室展」として2年ごとに開催(過去のゲストに、古谷利裕・谷口暁彦・水野勝仁・伊藤雄馬など)。同展で、研究室オリジナルの錯覚レシピを紹介するブックレット『即錯23』を発表。

研究室の主宰者である小鷹研理は、2019年に認知科学会より第7回野島久雄賞を受賞。2023年に講談社ブルーバックスより『からだの錯覚』を上梓。2024年には『身体がますますわからなくなる』(大和書房)を出版。2024年9月には、小説集『セザンヌの犬』(古谷利裕)との合同新刊記念イベントが巣鴨で開催される(司会・山本浩貴)。これらの出版と前後して、雑誌『子供の科学』で巻頭特集が組まれたほか、NHK『おはよう日本』でも特集が組まれるなど、様々なメディアで「からだの錯覚」が紹介される(NHK WORLD、NHKBS、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京、週刊現代、朝日新聞、毎日新聞、中日新聞など)。


経歴(小鷹研理)

主要な経歴は[MINIMAL CV]

2012-
名古屋市立大学芸術工学研究科(准教授)

2007-2012
早稲田大学WABOT-HOUSE研究所(2010・工学博士)

2005-2007
IAMAS(情報科学芸術大学院大学)

2003-2005
京都大学大学院情報学研究科

1998-2003
京都大学総合人間学部

1995-1998
茨城県立水戸第一高等学校

主な受賞

完全版は[AWARD]

2022.12
>> XRAYHEAD(今井健人・茅野遥佳・小鷹研理)


入賞(一般/インタラクティブアート部門)| Asia Digital Art Award Fukuoka 2022
[YOUTUBE|XRAYHEAD]
[OFFICIAL]

2022.12
>> XRAYHEAD(Kento Imai, Haruka Kayano and Kenri Kodaka)


BEST EXTENDED REALITY (XR) CONTENT AWARD| SIGGRAPH ASIA 2022 (Daegu,Korea)
[YOUTUBE|XRAYHEAD]
[PDF|ABSTRACT]

2021.12
>> Slime Hand(Yutaro Sato, Kento Imai and Kenri Kodaka)


Nominated in Top 10| Best Illusion of the Year Contest 2021
[YOUTUBE|Slime Hand on Channel of The Illusion contest]
[2021 ALL FINALISTS]

2021.08
>> XRAYSCOPE(今井健人・小鷹研理)


優秀賞(学生部門)|XR CREATIVE AWARD 2021
[YOUTUBE|XRAYSCOPE]
[OFFICIAL]

2020.12
>> XRAYSCOPE(Kento Imai and Kenri Kodaka)


Nominated in Top 10| Best Illusion of the Year Contest 2020
[YOUTUBE|XRAYSCOPE on Channel of The Illusion contest]
[2020 ALL FINALISTS]

2019.12
>> Bodiject Fingers(Kenri Kodaka)


Nominated in Top 10| Best Illusion of the Year Contest 2019
[YOUTUBE|Bodiject Fingers(2min.)]
[YOUTUBE|Bodiject Fingers on Channel of The Illusion contest]
[2019 ALL FINALISTS]

2019.09
第7回野島久雄賞(小鷹研理)
日本認知科学会 [受賞理由]
2019.03
>> ボディジェクト指向(小鷹研理)


審査委員会推薦作品|第22回メディア芸術祭・アート部門
[VIMEO|ボディジェクト指向]
[JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL ARCHIVE]

2018.08
>> Elastic Arm Illusion(森光洋・小鷹研理)


ファイナリスト選出|VRクリエイティブアワード 2018
[YOUTUBE]

2017.09
>> HMDを介したポールを引っ張り合うことによる腕が伸縮する感覚の誘発(石原由貴・森光洋・室田ゆう・小鷹研理)


UNITY賞|情報処理学会シンポジウム・エンターテインメントコンピューティング2017
[YOUTUBE|Stretchar(m)]
[論文PDF]

2015.03
>> デスクトップ・プレゼンスのための身体変形感を誘起する背面タッチインタフェースの研究(石原由貴・小鷹研理)


インタラクティブ発表賞|情報処理学会シンポジウム・インタラクション2015
[YOUTUBE|Rubber Hand Pointer]
[論文PDF]

2011.12
>> Exploring movable space using rhythmical active touch in disordered obstacle environment(Kenri Kodaka, Tetsuya Ogata, Hirotaka Ohta and Shigeki Sugano)


BEST PAPER AWARD (Robotics)|2011 IEEE/SICE International Symposium on System Integration
[YOUTUBE|Rhythmical Exploration in Movable Obstacle Space]
[IEEE]

2009.08
>> Reader placement design for two wheeled robots on floor-installed RFID system – Extracting backward sensing problem -(Kenri Kodaka, Haruhiko Niwa and Shigeki Sugano)


TOSHIO FUKUDA BEST AWARD FINALIST in MECHATRONICS|IEEE International Conference on Mechatronics and Automation 2009
[IEEE]

2005.10
>> Walking with body-sense in virtual space using the nonlinear oscillator(Kenri Kodaka, Tetsuya Ogata and Hiroshi G. Okuno)


BEST STUDENT PAPER FINALIST AWARD|IEEE International Conference on Systems, Men, and Cybernetics 2005
[IEEE]

2005.03
>> 簡易的インタフェースを用いた仮想空間移動のための歩行感覚の補償(小鷹研理, 駒谷和範, 尾形哲也, 奥乃博)


学生奨励賞・大会論文賞|情報処理学会第67回全国大会
[論文PDF]

アクセス

住所
〒464-0083 愛知県名古屋市千種区北千種2-1-10
電話番号
052-721-3216
メール
kenrikodaka[AT]gmail.com