公開質問状

谷口暁彦 ◉ 水野勝仁 ◉ 小鷹研理

2020年11月28日(14時〜)に企画されているゲストトーク(テーマ|「気持ちいい」と「気持ちわるい」の錯覚論、メディアアートとの対話) [LINK] に向けて、三人の登壇者の間で事前に交わされている質問の内容を公開します。これらの質問は、ゲストトークの時間の中で扱われる予定です。

水野さんから2人への質問

コンピュータを長く使ってきた私たちの身体の輪郭=サーフェイスは,マウスとカーソルとのつながりやタッチパネルにおける指とディスプレイ平面,さらにはVRでの様々な試みによって伸縮自在になってきてると感じているのですが,お二人は自分の身体の輪郭についてどのように考えていますか? もし輪郭が変化しているとしたら,そこにはどのくらいコンピュータの存在が影響していると思いますか?

水野さんから谷口さんへの質問

谷口さんはアバターになり続けているけれど,アバターと自分との「歳」のちがいを感じることや考えることはありますか.アバターとして記録された時間,アバターを操作する/される時間とともに谷口さん自身の生きる時間との関係を聞きたいです.

水野さんから小鷹への質問

私のテキストに対して「体験翻訳」という言葉をつくってくれて,私は自分がやっていることが明確になったのですが,小鷹さん自身は錯覚の実験を考えているときに自分の体験を翻訳しているような感じなのでしょうか.

谷口さんから2人への質問

アーティストが作品の中で、社会や、歴史、科学について言及するときの違和感があれば教えてください。

新型コロナウィルス以後において、インタラクティブ、体験型のアート作品をどのように作ることが可能でしょうか?

谷口さんから水野さんへの質問

インターフェースと私たちの関わりの問題は、個人や知覚や経験だけでなく、人同士の繋がりや関係性といった、集団、社会の問題にも繋げていけそうに思うのですが、どのような方法で繋げていくことができるでしょうか?

谷口さんから小鷹への質問

小鷹さんの研究でHMDを用いるようになりましたが、それによる研究の発見や変化について教えてください。

小鷹から2人への質問

いわゆる鑑賞者の参加による体験型の作品が、美術やメディアアートの領域で極めて少ないように思えるのはなぜなのでしょうか。

科学者が「アート」という言葉を使うときに感じる違和感があれば教えてください。

小鷹から水野さんへの質問

一般に「ポストインターネット」の作風でくくられれる作家の多くは、インターネット以前の世界に生まれ、インターネットの登場に伴う世界の決定的な変容を原体験として刻んでいるように思います。それでは、インターネット以後の世界に生まれた世代の作家に「ポストインターネット」の制作は可能なのでしょうか。

小鷹から谷口さんへの質問

谷口さんの近年の作家活動およびキュレーション活動を通して見たときに、ゲーム空間からプレイヤーの排除された「何も起きない」世界に並々ならぬ関心を持っているように見受けられます。このような世界観に関心を持つようになった経緯などがあれば教えてください。関連して、あえて漠然とした問いとなりますが、、プレイヤーのいないゲーム空間において、プレイヤーは一体どこに消えてしまったのでしょうか。